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大阪地方裁判所 昭和44年(行ウ)85号 判決

神戸市兵庫区熊野町四丁目一六八番地

原告

目次繁春

右訴訟代理人弁護士

大江篤彌

米田泰邦

枚方市大垣内町二丁目九の九

被告

枚方税務署長

湊谷龍蔵

右指定代理人

坂本由喜子

中村治

木村好治

長田憲二

主文

一  被告が昭和四二年一二月二〇日付で、原告の昭和四一年分の所得税についてした更正処分(但し昭和四四年六月一〇日付大阪国税局長の裁決による一部取消し及び昭和四九年六月二七日付再更正による減額後のもの。)中、総所得金額五、四四二、二四四円を超える部分を取消す。

二  原告のその余の請求を棄却する。

三  訴訟費用は二分し、その一を原告の、その余を被告の各負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  原告

1  被告が昭和四二年一二月二〇日付でした、原告の昭和四一年分所得税における総所得金額を金一二、一八九、一〇八円と更正した処分(昭和四四年六月一〇日付大阪国税局長の裁決による一部取消し及び昭和四九年六月二七日付更正による減額後のもの。)を取消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

との判決

二  被告

「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決

第二当事者の主張

一  請求の原因

1  昭和四二年三月一四日、淀川税務署長に対し、原告名義で、原告の昭和四一年分の確定所得申告書(以下本件確定申告書という。)が提出され、これに対し被告は数次の更正の後昭和四二年一二月二〇日付で、原告の右同年分の総所得金額を金二一、七一五、〇七一円とする更正処分(以下本件更正処分という。)をした。原告は、昭和四三年一月二〇日、本件更正処分につき、被告に対して異議申立をしたところ、同年四月二一日大阪国税局長に対して審査請求をしたものとみなされ、同局長は昭和四四年六月一〇日、本件更正処分につき、原告の総所得金額中、金一八、五七四、三五七円を超える部分を取消す旨の裁決をしたが、その後本件更正処分は、被告の昭和四九年六月二七日付再更正処分により、右総所得金額につき、金一二、一八九、一〇八円に減額された。

2  しかし本件更正処分(右裁決及び再更正後、以下同じ。)には、つぎのような違法事由が存在する。

(一) 本件確定申告書は、原告に無断で、訴外日本鏡鈑株式会社(以下日本鏡鈑という。)の代表取締役今井修蔵、同上田勝健が、訴外磯野重雄に指示し、原告の氏名・印鑑を冒用して作成・提出したものであつて、無効であり、従つて、右確定申告書の提出を前提としてなされた本件更正処分は全体として違法である。

(二) 昭和四一年中、原告には、被告が本件更正処分において認定したような不動産所得及び譲渡所得は存在しなかつた。

3  よつて本件更正処分の取消を求める。

二  請求原因に対する認否

1  請求原因第1項、認める。

2  同第2、第3項、いずれも争う。

三  被告の主張

1  原告は、昭和四二年三月一四日、原告の昭和四一年分の所得金額につき、別紙一のような記載内容の確定申告書(本件確定申告書)を提出したが、被告が調査したところ、原告には同年中別紙二のとおりの所得があつたことが判明したので、被告はこれに基づいて本件更正処分を行つた。なお、右所得金額中、不動産所得及び譲渡所得についての算定経過はつぎのとおりである。

(一) 不動産所得

収入金額は、原告所有の寝屋川市出雲町一三番地五号(不動産登記簿上、同町二〇七番一)所在の不動産等(土地、建物、機械、車輌、什器備品等)を、日本鏡鈑に対し、昭和四一年一月より同年五月まで月額一、〇七一、六〇〇円で賃貸したことによる賃料合計金五、三五八、〇〇〇円であり、右収入金額に基づき不動産所得を算出した計算明細は別紙三のとおりである。

(二) 譲渡所得

原告は、昭和四一年一一月三〇日、原告の日本鏡鈑に対する金一三六、八九七、二五八円の貸付金債務の弁済に代えて原告所有の右賃貸不動産等及び枚方市香里ケ丘一二丁目三二二五番地の三の土地を、同社に対して譲渡したが、収入金額は右代物弁済の目的債務額と同額であり、右収入金額に基づき譲渡所得金額を算出した計算明細は別紙四のとおりである。

2  原告が右各所得をえたのは、つぎのような事情による。

原告は大和鏡鈑製作所(個人経営)の商号で鏡面鈑製造業を営んでいたところ、昭和四〇年資金繰りに窮して松下電工株式会社(以下松下電工という。)より資金援助を受けることとなつたが、その際同社の要請により、右経営形態を法人組織とすることとし、同年一〇月一二日、日本鏡鈑(株式会社)が設立(原告は代表取締役に就任)された。同社は同月一六日大和鏡鈑(原告)(以下同じ。)の前記寝屋川市所在の工場等一切の施設を原告から賃借(その賃料が本件不動産所得における収入金額である。)して営業を開始するとともに、大和鏡鈑の債務については、以後順次同社が原告に代つて支払い、これによつて発生した債権を原告に対する貸付金として計理し、一方流動資産についても順次これを受入れ、右貸付金債権に充当していつたところ、昭和四一年一一月三〇日、右貸付金銭高は一三六、八九七、二五八円に達した。原告は、右同日同社の代表取締役を辞任したが、同社ではこれを機会に右貸付金を回収することとして、右同日原告より右債務全額の弁済に代えて前記各物件の譲渡を受けた。

なお、昭和四〇年一〇月一五日現在の大和鏡鈑の貸借対照表中、右代物弁済の目的債務額形成に関連する資産科目(有形固定資産科目を除いたもの)及び負債科目を抜萃したものが、別紙五、貸借対照表(抜萃)(被告主張分)中、帳簿価額欄であり、右帳簿価額につき、その後判明した預け金及び貸付金のうち、回収不能額を減算し、計上漏であつた割引手形金額を加算したうえ、原告が日本鏡鈑の代表取締役を辞任する際同社より肩代りを受けた債務額九、二三六、四三五円を追加借入金として計上したものが、同表修正価額欄である。

右帳簿価額については、その後さらに結果において借方に超過額二二四、二二三円が出る修正が必要なことが判明した。結局、貸方修正額合計金額二八四、二四〇、四五二円から借方修正価額合計金額一四七、一一八、九七一円を差引いた正味負債額一三七、一二一、四八一円から、さらに右借方超過額二二四、二二三円を差引いた前記一三六、八九七、二五八円が本件代物弁済の目的債務額である。

四  被告の主張に対する原告の答弁

1  被告の主張第1項中、原告名義の確定申告書に被告主張のような数額の記載のあることは認めるが、その余は争う。但し、原告に被告主張のごとき各収入が認められる場合、それらの必要経費等が少くとも被告主張の金額であることは認める。

2  同第2項中、原告が大和鏡鈑製作所の商号で鏡面鈑製造業を営んでいたこと、これを法人組織とすることとし、昭和四〇年一〇月日本鏡鈑が設立されたこと及び同社に対して寝屋川市所在の工場等の施設の使用を許したことはいずれも認めるが、右使用は使用貸借であつて賃料は受取つていない。その余の事実は否認。

仮に同社の計理上、被告主張のごとき処理がなされていたとしても、それは同社の帳簿上の操作に過ぎず、多額の架空債権が計上されている。

第三証拠

一  原告

1  書証

甲第一ないし第八号証、第九号証の一ないし三、第一〇ないし第一八号証、第一九号証の一ないし三五(第一ないし第六号証、第八号証、第九号証の一ないし三、第一〇ないし第一三号証、第一八号証、各写で提出)

2  人証

証人磯野重雄、原告本人

3  乙号証の認否

乙第七号証の一ないし一一、第一〇号証の一、第一一号証の一、第一二号証、第一三号証の一ないし三の各成立、いずれも認める。

乙第一号証の一、四、第二、第五、第九号証、各原告名下の印影が原告の印章によることは認めるが、その余の成立は否認。

乙第一号証の二、三、第三号証の成立、各否認。

乙第八号証の一、第一〇号証の二、三、各官署作成部分の成立は認め、その余の部分の成立は不知。

その余の乙号証の成立、各不知。

二  被告

1  書証

乙第一号証の一ないし四、第二ないし第六号証、第七号証の一、二、第八号証の一ないし一〇、第九号証、第一〇号証の一ないし三、第一一号証の一、二、第一二号証、第一三号証の一ないし三(第一号証の三、四、写で提出)

2  人証

証人今井修蔵

3  甲号証の認否

甲第一ないし第六号証、第八号証、第九号証の一ないし三、いずれも原本の存在及び成立を認める。

甲第一〇ないし第一三号証、第一八号証、いずれも原本の存在、成立とも不知。

甲第一四号証の成立認める。

その余の甲号証の成立、各不知。

理由

一  請求原因第1項の事実は、いずれも当事者間に争がない。

二  原告は、本件確定申告書の提出は原告に無断でなされた無効のものであり、従つてこれを前提とした本件更正処分も違法である旨主張するので、まずこの点について判断する。

仮に原告主張のとおり、今井修蔵らが、原告に無断且つ無権限で本件確定申告書を提出したとすれば、これを原告のした確定申告とみなしえないことはいうまでもない。しかし、このことは一方では、昭和四一年中原告に課税所得が発生し、客観的に納税申告義務の存在が認められる限り、原告が他に確定申告をしたとの証拠のない本件では、原告は無申告であつたことに帰する筋合である。そうすると、その場合、被告は、原告に対し国税通則法第二五条に基づく決定による課税処分をすべきであつたのに、同法第二四条に基づく更正処分で対処したことになるが、更正処分も納税申告の追完的処分ではなく、税務署長がその調査に基づいて行う独立の課税処分であつて、この点では無申告の場合の決定処分と何ら異るところはないのである。しかも更正に基づく過少申告加算税の税率が百分の五である(同法第六五条一項)のに対して、決定に基づく無申告加算税の税率が百分の一〇である(同法第六六条一項)との一事に照らしても、無申告の納税申告義務者に対して、誤つて過少申告として更正処分がなされたとしても、右納税申告義務者に不利益は認められない。

従つて、仮に本件更正処分が右の点で違法であつたとしても、同年中、原告に後記認定のとおりの総所得金額が認められ、納税申告義務の否定しえない本件においては、原告は、右処分によつて不当に権利を侵害されるおそれはないから、右違法を理由に本件更正処分の取消を求める法律上の利益を有しないといわなければならない(最高裁判所昭和四〇年二月五日判決、同裁判所判例集一九巻一号一〇六頁以下参照)。よつて原告の右主張は失当である。

三  原告の昭和四一年分の所得金額について判断する。

1  当事者間に争のない事実、いずれも原本の存在成立とも争のない甲第八号証、第九号証の一ないし三、いずれも成立に争のない乙第七号証の一ないし一一、第一二号証、いずれも証人今井修蔵の証言により真正に成立したと認められる乙第二ないし第六号証、同証言、証人磯野重雄の証言及び原告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨を総合すれば、つぎの各事実が認められる。

(一)  原告は昭和二六年ごろ、大和鏡鈑製作所の商号で鏡面鈑製造業を始めた(以下右関係では便宜上大和鏡鈑というが、法律効果上すべて原告と同義である。)が、昭和三六年ごろ事業の拡大を企図し、資本金七、〇〇〇万円ないし八、〇〇〇万円を投じて寝屋川市出雲町内に同町二〇七番一(不動産登記簿上の表示)ほか四筆合計一、〇三八坪の土地を購入してその地上に工場を建て機械設備等(同所の右土地、建物、機械等を、以下寝屋川工場の不動産等という。)を設置したところ、災害や不況等によつて、計画通りの受注や生産ができず、右設備による資金の固定化と相まつて経営状態が悪化して資金繰りに苦しみ、融通手形に頼つたり、高利の金を受入れたりしたため、昭和四〇年に入るころにはかなり高額の負債を抱えるに至つた。そこで原告は、同年二月ごろから主たる発注元である松下電工に援助を要請していたが、同年七月ごろ再度の援助要請に対して、同社では大和鏡鈑の資産経営状態について同社バネ事業部管理部長今井修蔵の調査を経た(右調査には約三か月を要した。)後、その援助に乗り出すこととなつたが、右援助は、原告の個人営業であつた大和鏡鈑とは別個に経営態勢の整備された法人を設立して、右法人に大和鏡鈑の人的物的設備及び債権債務関係一切を含めた営業を譲渡(いわゆる大和鏡鈑の法人化)させ、右法人に対して松下電工が援助をするというものであつた。

なお、右物的設備の譲渡とは、全財産の提供、すなわち寝屋川工場の不動産等営業用財産を中心とする原告所有の全財産の所有権を移転する、との趣旨であつた。

(二)  同年一〇月一二日右趣旨に添つて日本鏡鈑(株式会社)が設立され(資本金五〇〇万円、発行済株式数一〇、〇〇〇株(一株の金額五〇〇円)、引受株式数、原告一、〇〇〇株、今井三、〇〇〇株、松下電工パネ事業部長高坂昇二、五〇〇株、日本鉄工株式会社社長上田勝健一、五〇〇株)、原告がその代表取締役に、今井がその取締役(上田、取締役、高坂、監査役)にそれぞれ就任したが、その実際の担当業務は、原告は製造及び営業、今井は人事及び経理であつて、会社経営の実権は今井が掌握するところとなつた(以下同社は、同人が事実上これを代理して行為をした。)。そして同社は、同月一六日、原告より大和鏡鈑の人的物的設備を含め営業譲渡を受けて即日大和鏡鈑と同一の営業活動を開始し、一方大和鏡鈑は同日限り一切の営業活動を停止したが、債権、債務の引継ぎについては、大和鏡鈑は会計帳簿も満足に備えつけていない程杜撰な事務処理しかしておらず、前記調査を実務上担当した松下電工パネ事業部管理部経理課員西山正治が同年六月以来大和鏡鈑の経理事務を担当することとなつた磯野重雄の協力を受けて前記のとおりの長期間の調査を行つたにもかかわらず、その債権、債務の実態(とくに融通手形関係)を完全に把握するに至らず、右営業譲渡以後も思いがけない債務の存在が判明する可能性があつたが、一方、原告所有の全財産の所有権の移転については、右債務の引受けによつて生ずる求償債権に対する代物弁済という法律的形式を履むことが予定されていたため、同社は、右営業譲渡日現在判明している債務を基礎に右法律的形式を実行してしまつた場合は、その後に判明した債務の処理に不都合が生ずるおそれがあると考えたので、同日においては確定的な債権、債務の引継ぎ及びこれに対応する財産権の移転を留保することとした(従って物的設備については、同日日本鏡鈑にその使用権のみが設定された。)。

そこで同日ごろ日本鏡鈑と原告との間で、右問題に対するその後の処理につき、以下のような取決めがなされた。

(1) 債権は同社において順次受入れる(法的には同社が取立て、つぎの貸付金債権に充当する。)

(2) 債務については、全債務を同月一六日現在の状態で同社が引受けるが、その方法としては、同社が大和鏡鈑に資金を貸与し、大和鏡鈑が右資金によつて各期日ごとにこれを順次決済する。

(3) 右方法によると、右債務中、同月一六日以降も利息の発生する債務についての同日から決済日に至る利息債務が大和鏡鈑に帰属し、右利息債務同額分大和鏡鈑の同社に対する貸付金債務が右同日現在の額より増加して右趣旨に反することとなるが、これに対しては、同社が使用権の設定を受けた寝屋川工場の不動産等につき、同社において大和鏡鈑に対して右金利相当額の賃料を支払うこととして、これを相殺し、さらに右決済のための貸付金については無利息として、右各処置を含め、いずれにしても同社は原告に対して同年一〇月一六日現在の資産状況を超える負担を一切負わせないこととする。

(4) 一方代物弁済については、寝屋川工場の不動産等及び原告所有の枚方市香里ケ丘一二丁目三二二五番地の三(不動産登記簿上の表示)の土地をその目的物件として右方法によつて順次増加する同社の大和鏡鈑に対する貸付金債権全額の弁済に充てることとし、その実行(予約の完結に相当する。)は、大和鏡鈑の債務の全容が判明し、右方法による決済が完了して同社の大和鏡鈑に対する債権額が確定した時期(当初は右債権額は約一億円、確定時期は遅くとも昭和四一年六月三〇日と予定されていた。)以降に行うが、その具体的時期、方法については同社に一任する。

(三)  右のような取決めに基づき、日本鏡鈑はつぎのような処置をとつた。

(1) 寝屋川工場の不動産等の賃料は一か月金一、〇七一、六〇〇円とし、昭和四一年五月三一日、同年一月一日から右同日までの賃料金五、三五八、〇〇〇円を含む金八、五七二、八〇〇円を一旦同社が大和鏡鈑へ支払い、これを直ちに大和鏡鈑より受入れるという経理処理をして、これにより同社の総勘定元帳上、大和鏡鈑に対する貸付金残高から右同額を減額した(なお同年六月一日以降は右のような処理は一切なされていない。)

(2) 貸付金及びこれによる大和鏡鈑の債務の決済の実行については後記認定のとおりである。

(3) 代物弁済の予約については、昭和四一年一一月ごろ原告と今井は協議してこれを完結することとし、同月三〇日原告も出席して開催された同社の取締役会で承認を受けたうえ、同年一二月二二日移転登記手続を経由した(なお右取締役会において、原告は同社の代表取締役を辞任し、代つて今井及び上田がそれぞれ代表取締役に選任された。)。そして、同社は最終的には同年一二月三〇日残存していた大和鏡鈑の債務のうち決済すべきものは決済(決済資金を大和鏡鈑に貸与)し、そしてなお残存した債務はその履行を引受けたこととし、右引受債務相当額を同社の大和鏡鈑に対する貸付金の借方に記帳し、総勘定元帳上、貸付金科目の右同日の帳尻金額一三六、八九七、二五八円をもつて固定資産を受入れたとの処理がなされた結果、差引残高は零となつた。

(4) なお、原告は昭和四〇年一〇月一六日以降、大和鏡鈑関係の債務につき、債権者らからその履行の請求や取立等を受けたことは全くない。

以上の事実が認められ、甲第九号証の一ないし三の記載、証人今井の証言及び原告本人の供述中、右認定に反する部分は採用せず、他にこれに反する証拠はない。

2  以上認定の事実を基礎に原告の同年中の各所得について検討すると、

(一)  不動産所得

同年五月三一日、寝屋川工場の不動産等の同年一月一日から同年五月三一日までの賃料として同社の大和鏡鈑に対する貸付金勘定に受入れられた前記金五、三五八、〇〇〇円は原告の不動産収入といわざるをえず、右不動産収入に対する必要経費が少くとも被告主張の額であることは当事者間に争がなく、これを超えるとの主張立証はない。

(二)  譲渡所得

前記のとおり、原告と日本鏡鈑との間で、寝屋川工場の不動産等及び枚方市所在の前記土地を目的物件とする代物弁済が成立したことが認められ、その成立日は同社の前記取締役会が開催され、右代物弁済が承認された昭和四一年一一月三〇日であると解すべきである(但し、その債務額は同年一二月三〇日確定した。)。

そして右代物弁済による原告の譲渡所得の基礎となる収入金額は、右代物弁済によつて消滅した原告の同社に対する債務額であることはいうまでもない。以下右債務額について判断する。

(1) 乙第九号証によれば、原告が同社に対して右同日現在金一三六、四六九、〇〇〇円の債務を有することを確認し、右債務の支払に代えて右各物件の所有権を譲渡する旨の、右同日付、原告作成名義の不動産代物弁済証書が存在することが認められ、右原告名下の印影が原告の印章によつて押捺されたものであることは原告も認めるところである。しかし証人今井修蔵、同磯野重雄の各証言及び原告本人尋問の結果によれば、右印鑑は、原告が大和鏡鈑名義で営業していたころ、営業用に使用していた、いわゆる営業印であつて、同社に営業を譲渡すると同時に、今井が保管するに至つたものであることが認められるので、右印影についての事実のみをもつてしてはその作成の真正を認めるに足りず、これが真正に成立したとの証人今井修蔵の証言は、証人磯野重雄の証言及び原告本人尋問の結果に照らして直ちに採用できず、他にこれを認めるに足りる証拠はないので、同号証をもつて右同日現在、原告が同社に対して現実に右同額の債務を有していたとか(現に本件全証拠によるも、右額がいかなる根拠で算出されたか不明である。)、原告が現実の債務額にかかわらず、右額で一切を処理することを承諾したとかの事実を認めることはできない。

(2) 前記認定の同社の昭和四一年一二月三〇日付総勘定元帳上の処理によれば、同社の会計の上から見る限り、本件代物弁済の確定目的債務額が一三六、八九七、二五八円であることは明らかである。

しかし、これが果して右同日における大和鏡鈑の同社に対する客観的に正当な確定債務額を表しているかどうかは別個に検討してみなければならない。

以下その検討をすると、証人今井修蔵の証言によつて同社の総勘定元帳中大和鏡鈑関係の出納のみを抜書したと認められる前記乙第四、第六号証によると、その借方及び貸方ともに記帳の回数も夥しくその累計金額も多額に上り、とくに昭和四一年二月以降にその傾向が顕著に見られるのである。このことは後記認定((別紙六)融通手形一覧表)のように大和鏡鈑の債権、債務関係を量・質ともに複雑にしていた融通手形による決済が同年一月にはすべて終了すべきであることに照らすと、同社は大和鏡鈑との前記取決めによる単純な債権の回収と債務の決済資金の貸与を超える金銭の出納を大和鏡鈑に対する勘定上行つていたと見ざるをえず、このことが右勘定の最終貸付残高のうえで、不当に大和鏡鈑の債務額を増加させた疑が極めて濃いから、右最終貸付残高をもつて直ちに客観的に正当な本件代物弁済目的債務額とはなしえない。

なお、この点について附言すると、証人磯野重雄の証言によれば、右勘定上の夥しい金銭の出入は、同社においても大和鏡鈑の債務の決済資金の調達に苦慮し、結局同社振出名義又は大和鏡鈑振出名義(但し、原告はこれに全く関与していない。)の手形を見返りとする多数の融通手形の操作に頼らざるをえなかつた結果であり、このために生じた高金利負担が前記の取決めに違反して大和鏡鈑に対する貸付金の中に計上されて不当に右最終残高を増加させたことが認められる(これに反する証人今井修蔵の証言は採用できず、他にこれに反する証拠はない。)。

(3)(ⅰ) 結局前認定の営業譲渡の際の取決め内容に従つて、大和鏡鈑の昭和四〇年一〇月一六日現在の債権債務関係を確定するほかはないというべきところ、証人磯野重雄の証言によれば、営業譲渡の前に西山及び磯野が大和鏡鈑の債権債務関係を調査した結果が甲第五号証(昭和四〇年一〇月一五日現在の大和鏡鈑の貸借対照表とその内訳明細書の写、原本の存在及び成立について当事者間に争いがない。)であることが認められるから、右甲第五号証を基礎に判断を行うこととする。(なお、同号証の貸借対照表から有形固定資産を除く資産科目及び負債科目を書き出したものが別紙五帳簿価額欄である。)

(イ) 同号証(内訳明細書を含む)によれば、別紙五の借方中13、14を除く各科目及び貸方中5、8ないし11を除く各科目は同表帳簿価額欄記載のとおりであることが認められ、右認定を左右するに足りる証拠はない。

(a) 因みに同号証(No.5とNo.7を対比)によれば(別紙五)借方9前払費用は、貸方において期限までの利息を含む額面金額が計上されている手形借入金(川越農協からの長期借入金についても同様と推測される。)に対する天引利息分又は分割既払分であると認められる(但し、同費用中一五三円は飲食店に対する過払分と認める。)から、借方への記入は正当である。

(b) (別紙五)借方11出資金に原告の同社に対する株式払込金一〇〇万円が計上されていないことは明らかであるが、右払込金は大和鏡鈑の営業用資産に属さない(原告本人尋問の結果によれば、原告はその後右株式を上田に右同額で譲渡し、その代金を自ら取得していることが認められる。)と認められるから、これを計上しなかつたことに誤りはない。

(ロ) 貸方5手形借入金について

同号証(No.7)によれば(別紙五)貸方5手形借入金は三五、五六五、〇〇〇円であることが認められる(帳簿価額三五、五三五、〇〇〇円は計算違いである。)。

(ハ) 借方13、14及び貸方8、9について

同号証(No.2ないし5、No.10ないし13)によれば(なお右各科目及び貸方10((同号証No.8ないし10))についての同号証内訳明細書の記載及び後記割引手形追加分を一覧表にしたのが別紙六、融通手形一覧表である。)、借方13、受取手形(仮)及び貸方8支払手形(仮)各科目に計上された価額の基礎となつた仮受手形及び仮支払手形は、いずれも融通手形であり、仮支払手形はその大半が仮受取手形の見返りとして振出されたものであること、借方14仮払金(手形)は、右仮支払手形の見返りであり、貸方9仮受金(手形)は右仮受取手形の見返りであること、従つて同号証に、同表番号103の仮受金に対応する仮受取手形の記載がないことは脱漏であつて、受取手形(仮)科目の帳簿価額は、右仮受金と同額である一、〇九五、三三〇円増額修正する必要があること、そして右貸借対照表においては、受取手形及び支払手形の双方につき、融通手形の表見的債権、債務性を、各別に右仮受金科目及び仮払金科目によつて修正、打消す経理処理(すなわち、通常の商業手形とは逆に、受取融通手形においては期日において自己に決済義務があること、支払融通手形については同じく自己に決済義務はなく、相手方にあることを表わしている。)がなされていることがそれぞれ認められる。

以上によれば、貸方8支払手形(仮)及びこれと対応する借方14仮払金(手形)は(別紙五)右各科目帳簿価額欄記載のとおりと認められるが、借方受取手形(仮)及び貸方9仮受金(手形)各科目の価額は、まず受取手形(仮)科目に前記の一、〇九五、三三〇円の増額修正を加えるほか、さらに後記認定の修正(一、三二二、五〇〇円の加算)を加える必要があるので、結局五八、六二二、四六〇円であることが認められる。

(ニ) 貸方11前受金について

同号証には、貸方11前受金科目が設けられ、その帳簿価額として一二、二七七、六九二円が計上されているが、右のように多額でありながら同号証内訳明細書には全くその内訳の記載がない。そして本件全証拠に照らしても、大和鏡鈑が右同日現在他から前渡金、手付金等通常同科目に計上すべき前払金を受取つている証跡は皆無である。右各事実と、右価額が仮受取手形価額(前記一、〇五五、三三〇円の補正後)と仮支払手形価額との差額にほぼ等しい(前受金価額が一四五、〇〇二円多いだけである。)事実に着目すると、右前受金価額は見返りの支払手形を振出していない受取融通手形についての振出人に対する期日における決済義務の存在を表す趣旨で計上されたのではないかとの推測が可能である。もしそうだとすれば、右処理は、経理上融通手形を通常の商業手形と区別せずに取扱つた場合は必要な処理であるが、本件大和鏡鈑の貸借対照表では前記のとおり融通手形の権利義務の表見性をそれぞれ受取手形、支払手形別に全額について処理済であつて、差額処理は無用であり、右のような前受金科目に右見返り処理をしたことは、差額部分について二重に決済義務を計上したことに相当し、誤りだといわなければならない。

いずれにしても、同号証の前受金科目に記載された価額は、全額につき、これを計上すべき根拠を認めるに足りる証拠はないので、同科目の価額は零とせざるをえない。

(ホ) 貸方10割引手形について

(a) 同号証(No.8ないし10)によれば、前記受取融通手形中、額面総額五〇、九四五、一三〇円の手形が割引かれたことが認められる。

なお、右割引手形中(別紙六)融通手形一覧表番号2及び105の各手形については、同号証にはこれに対応する仮受取手形の記載はないが、これも脱漏といわざるをえず、従つて借方13受取手形(仮)及びその見返りの貸方9仮受金(手形)の各科目の価額に右各割引手形金合計額と同額の一、三二二、五〇〇円を増額修正する必要がある(右修正により右各科目についての前記認定価額が算出される。)

(b) 商業手形の割引については、割引手形に計上されている恵化学10/15五四、九三〇円の手形(同号証No.8割引手形欄冒頭)は、同号証(No.5受取手形欄)によると、通常の商取引に基づく手形であると認められるのに、同号証No.5受取手形欄に記載されていない。従つて右手形はその支払期日である同年一〇月一五日振出人によって決済されたものと認められるので、右手形に割引手形中に加えるべきではなく、そうすると同号証(No.8ないし10)によれば、受取商業手形中同科目に計上すべき割引済の手形金額は一、五五、七一三円となる。

(c) 以上同号証によれば貸方10割引手形科目の価額は五二、五〇一、八四三円と認められる。以上が西山及び磯野の前記調査に基づき作成された甲第五号証から認められる大和鏡鈑の昭和四〇年一〇月一五日現在における有形固定資産を除く資産負債関係である。

(ⅱ) 官署作成部分の成立については当事者間に争がなく、その余の部分については証人今井修蔵の証言によつて真正に成立したと認められる乙第一〇号証の二、同証言によつて真正に成立したと認められる乙第一一号証の二及び同証言によれば、大和鏡鈑の右資産負債関係につき、その後以下のような事実が判明したことが認められる。

(イ) 割引手形追加分

同月一五日現在、前記割引手形の他、(別紙六)融通手形一覧表番号51、53、62、96、104105の各融通手形(金額合計三、〇四六、八〇〇円)が割引済であつた。従つて前記貸方10割引手形科目の価額は右同額分増額修正する必要がある。但し、同年一二月一〇日期日、額面三二〇、〇〇〇円の融通手形の割引が前記調査結果では脱漏している旨の同号証の記載及び同証言は、右甲第五号証によれば、右割引は、右調査結果中すでに含まれている(同号証No.9右欄三段目、別紙六番号45の手形がそれに当る。)と認められるので、採用できない。

なお、右甲第五号証中には、(別紙六)同表番号104、105の各割引手形に対応する仮受取手形の記載がないので、右手形金合計額相当の七六二、〇〇〇円を(別紙五)借方13受取手形(仮)及び貸方9仮受金(手形)に加算修正しなければならない。結局右各科目価額につき順次加算修正した結果は、いずれも五九、三八四、四六〇円となる。

(ロ) 預け金の修正

預け金(一、三三七、〇〇〇円)は全額回収不能であつた。従つて前記借方8預け金科目の価額は零と修正すべきである。なお、右甲第五号証(No.1)によれば、右預け金のうち、一、三一〇、〇〇〇円の預託先が東海銀行であつたことが認められるので、右回収不能金のうち、少くとも同銀行への預け金については、何らかの理由に基づく返還請求権不存在という法律的原因によつたものと認められる。

(ハ) 貸付金の修正

前記貸付金一三、二四四、一九七円中、一二、一〇四、三九七円は債務者無資力により回収不能であつた。

従つて、前記借方15貸付金科目の価額は右同額減額されなければならない。

(ⅲ) 以上が甲第五号証及び乙第一〇、第一一号証の各二並びに証人今井修蔵の証言によつて認められる大和鏡鈑の昭和四〇年一〇月一五日現在における有形固定資産を除く資産負債関係であるが、これに対し同種の証拠として甲第一五号証(陳述書)及びその基礎資料となつたと認められる甲第一六号証(約束手形帳)、第一七号証(約束手形明細帳)(いずれも証人磯野重雄の証言により真正に成立したと認められる。)が提出され、その内容は、仕訳方法が前記甲第五号証のそれと異つている(例えば、借入金の仕訳、割引手形を割引金融機関よりの借入金に仕訳する等)ことは別としても、なお実質的にかなりの相違が認められる。しかし、右甲第五号証はその作成の経緯から見れば、右甲第一六、第一七号証をも参照しつつ、さらに他の基礎資料を加えて作成されたものと認められるので、右相違点につき、甲第五号証をさしおいて甲第一五ないし第一七号証を採用することは相当でなく、証人磯野重雄の証言及び原告本人の供述中前記認定に反する部分は直ちには採用できず、他に右認定に反する証拠はない。

(iiii) 大和鏡鈑の昭和四〇年一〇月一五日現在における右資産負債関係はそのまま同月一六日に持越されたと認めるのが相当である。そうすると当裁判所の認定する右同日現在の大和鏡鈑の資産負債関係(有形固定資産を除く。)は別紙七、資産負債対照表(認定分)のとおりであり、右同日現在大和鏡鈑は、有形固定資産を除くと、一一四、一六七、〇九四円の負債超過であつたことが認められる。

(4) 前記乙第一〇、第一一号証の各二及び証人今井修蔵の証言によれば、原告は右同日以後、原告名義及び原告経営(個人)に係る関西活材名義で別途合計九、二三六、四三五円の債務を負担するに至つたが、昭和四一年一〇月二八日、原告と日本鏡鈑が協議した結果、右債務中、日本鏡鈑以外の債務者に対する債務の履行についても同社が引受けること及び右引受けによつて原告が同社に対して負担することとなる債務を含む右九、二三六、四三五円全額を追加借入金として本件代物弁済の目的債務に加えるとの合意が成立したことが認められ、右追加債務額中一部の存在を否定する甲第一五号証の記載部分(同号証別表5)は、その否定の根拠に合理性がない部分があることに照らしても、これを採用することは相当でなく、他に認定に反する証拠はない。

(5) 前記認定のとおり、原告が大和鏡鈑の営業譲渡の日以来債権者からその支払の請求を受けたことすらない(なお証人今井修蔵、同磯野重雄の各証言によれば、同日以後大和鏡鈑名義の債務の弁済については、原告は全くこれに関与せず、今井及び同人に指示を受けた磯野がこれを行つていたことが認められる。)のであるから、本件代物弁済債務額が確定した昭和四一年一二月三〇日までに右債務は、その全額について、同社からの貸付金によつて支払われ、又は未払分については同社によつてその履行が引受けられ且つ債権もすべて回収されて原告(大和鏡鈑)の同社に対する債務の弁済に充当されたと認めるのが相当である。

そして前記認定のとおりの同社と原告との取決め及びその後の追加負債処理についての合意によれば、同社と原告との間においては、本件代物弁済の正当な目的債務額は、昭和四〇年一〇月一六日現在における前記負債超過額一一四、一六七、〇九四円にその後追加された負債額九、二三六、四三五円を加算した一二三、四〇三、五二九円を超えることはありえず、結局本件代物弁済の目的債務額は一二三、四〇三、五二九円と認めるべきである。

以上によれば、本件において認めるべき代物弁済による原告の収入金額は、右一二三、四〇三、五二九円ということになる。

そしてこれについての資産取得費が少くとも別紙四記載の額であつたことは当事者間に争がなく、これを超えるとの立証はない。

よつて原告の昭和四一年分譲渡所得は別紙四のうち収入金額を右額に改めて算出した五、四四二、二四四円となる。(なお給与所得については原告は明らかに争わない。)

四  不動産所得及び給与所得を損益通算した結果算出された右譲渡所得五、四四二、二四四円が原告の同年分の総所得金額であることは明らかであり、そうすると本件更正処分中原告の総所得金額は右額の限度で適法であるが、右額を超える部分については違法たるを免れない。

よつて原告の本訴請求は主文第一項掲記の限度で正当であるから認容し、その余は失当であるから棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第九二条本文を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 乾達彦 裁判官 國枝和彦 裁判官 市川正己)

別紙一 確定申告書記載の所得金額

総所得金額 三八八、三二〇円

内訳

1 不動産所得 〇円

2 給与所得 一、八九三、五〇〇円

3 譲渡所得 一五、四四二、六六五円

(但し二分の一控除前の額は三〇、八八五、三三〇円)

4 営業所得 △一六、九四七、八四五円

(内、繰越欠損金△二七〇、四七二円)

△印は欠損を表す。以下同じ。

別紙二 原告の所得(本件更正処分における所得金額)

総所得金額 一二、一八九、一〇八円

内訳

1 不動産所得 △七、六六七、五〇九円

(明細、別紙三)

2 給与所得 一、八九三、五〇〇円

3 譲渡所得 一二、一八九、一〇八円(但し、損益通算及び二分一控除前の額は、三〇、一五二、二二六円)(明細、別紙四)

別紙三

不動産所得の計算明細

〈省略〉

別紙四

譲渡所得計算の明細

〈省略〉

別紙六 融通手形一覧表

No.1

〈省略〉

融通手形一覧表

No.2

〈省略〉

融通手形一覧表

No.3

〈省略〉

融通手形一覧表

No.4

〈省略〉

融通手形一覧表

No.5

〈省略〉

総括表

〈省略〉

中央信用 : 中央信用組合

実信 : 実業信用組合

庶民 : 大阪庶民信用組合

厚生 : 大阪厚生信用金庫

相互 : 相互信用金庫

和歌山 : 和歌山相互銀行

北 : 大阪北信用組合

滋賀 : 滋賀相互銀行

大阪 : 大阪銀行

(注) 相手方については、明らかに誤記と思われるものにつき修正を加えた。

別紙七

大和鏡鈑資産負債対照表(認定分)

40.10.16

〈省略〉

(負債) (資産) (負債超過額)

264,465,895円-150,298,801円=114,167,094円

〔代物弁済時〕 (追加借入金)(代物弁済債務額)

114,161,094円+9,236,435円=123,403,529円

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